がん治療専門外来(新ページ)

免疫について

私たちの身体を守る免疫細胞の種類と役割
免疫細胞の種類と役割
人間には生命維持に必要なシステム=免疫システムが、生まれながらに備わっています。このシステムは免疫細胞の活躍によって維持されています。免疫細胞には様々な役割を持った多数の種類がありそれぞれが連携して、常に外敵の侵入やがん細胞などの脅威から身体を守っています。

免疫細胞は血液の白血球の中に存在しています。役割から大別すると、まず細菌や感染症から身体を守る即時的な働きをする「顆粒球」。怪我や感染で出てくる膿は、顆粒球と細菌の格闘の末の死骸でもあります。
そして日々異常細胞(=身体にとって敵となる細胞)を監視しやっつける、パトロール隊&兵隊的な存在の「リンパ球」。このリンパ球の約70%は兵隊の中心的存在である「T細胞」が占めており、続いて抗体を作る役割を担う「B細胞」、異常細胞を問答無用にやっつける精鋭部隊の「NK(ナチュラルキラー)細胞」がそれぞれ10%程度ずつ構成しています。さらにがん細胞を狙って叩くNKT細胞、γδT細胞がほんの数%存在することが知られています。そしてもう一つが「単球」。これは、血管から飛び出してアメーバ状の「マクロファージ」となり、細菌などの異物を細胞内に取り込み消化して、その一部を細胞の表面に提示します(抗原提示)。マクロファージ以上の働きを持つ「樹状細胞」とともに、がんなどの異常細胞の存在を兵隊であるT細胞たちに知らせたりこれが敵であることを教育をする、いわば教育司令塔のような役割を担っています。

リンパ球にはウイルスなど病原体が進入したときに4時間以内に反応する「自然免疫」と、数日の反応時間を必要とする「適応免疫」の2種類があります。自然免疫ではNK細胞、NKT細胞、γδT細胞が、適応免疫ではT細胞が働きます。

適応免疫の代表的な応用例は、はしかウイルスなどのワクチン療法です。これは、はしかワクチンだけに反応するごく少数のT細胞と抗体産生B細胞を誘導して大量に増殖させ、はしかウイルスを攻撃する体制を作りだすものです。その一部は記憶T細胞として長く体内に残ります。ワクチン接種の後はしかウイルスに感染した時には、この記憶T細胞がすばやく反応して大量に増え、はしかウイルス感染からからだを守ります。こうしたT細胞の働きを適応免疫といいます。T細胞はこのように特定の敵だけに反応する1:1の関係を作るため、この関係ができるまでにしばし時間がかかります。一方、自然免疫の代表格NK細胞は、ウイルス感染細胞やがん細胞など身体の敵となる細胞に出会えばすぐに攻撃します。これは生まれながらに備わったNK細胞の重要な働きです。

自然免疫と適応免疫が相互に補完しながら、免疫システムが良いコンディションで正確に機能することにより、私たちの身体は健康な状態でいられるのです。
がんの発症と免疫の関係
健康時
人の身体は約60兆個の細胞でできており、日々新陳代謝を繰り返すことで成長し、生命が維持されています。細胞が生まれ変わる過程の中で、成人で約5000個のがん細胞の芽が毎日生み出されていると考えられていますが、すぐにそれががんとして発症することはなく、人によってはがんを一生発症しない人もいます。これは免疫細胞の働きによるところが大きいと考えられています。
身体中をパトロールしてがん細胞の芽を見つけ次第、問答無用で消していくのがリンパ球の仲間であるNK細胞の役割です。健康な人のNK細胞はよく働くので、生まれたがん細胞の芽を端から攻撃していきます。初動で粉々に破壊されたがん細胞の芽は、樹状細胞と呼ばれる細胞教育係によって処理(貧食 どんしょく)され、「こういう異常細胞を見つけたら消してしまうように」とT細胞に伝えます。この情報を受け取ったT細胞は分裂を繰り返すことにより、同種の細胞に対する攻撃力を備えた兵隊をどんどん増強して、同じパターンの異常細胞を見つけるとただちに攻撃できるよう力を備えます。健康体の人の細胞は、このようにそれぞれの細胞が役割を分担、全うしながら、強固な防衛システムを維持しています。
がんの芽
ここで大切なのは、初動のNK細胞の役割です。NK細胞が熱心にパトロールをして、おかしな細胞を見つけたら直ちに消す、という初動攻撃が生きてこその連携システムです。ところがこのNK細胞は、加齢やストレスに非常に影響されやすく、その数を減らしたり攻撃力が極めて弱くなったりすることで、初動の役割が全うできなくなることがあります。NK細胞の力が弱まると処理されない異常細胞が残って行くことになります。これががん発症の大きなきっかけとなります。
NK細胞の力が弱くなり、がん細胞の芽が残りやすくなると、樹状細胞(教育司令係)がせっせとT細胞を教育・兵力増強して、なんとか食い止めようとがんばります。このがんばっている期間、免疫力とがん細胞の攻防がギリギリ釣り合っているような状態は、人により5年から10年と言われています。この間生きのびたがん細胞は、じわじわと免疫に対しての抵抗性を身につけて静かに成長していきます。
がん発病
そしてある時、NK細胞もT細胞も攻撃力が追いつかなくなる時が来ます。がん細胞はいきなり急激な増殖を始めます。CTスキャンなどでがんらしき影などを見つけることができるようになるのはこのタイミングからで、1cmほどの大きさに成長したがん細胞は約10億個に増えています。しかもこの時点でがん細胞は、様々な方法で作り出した免疫が効かなくなる(免疫を抑制する)防御壁で自らを囲いながら、さらに増殖をしていきます。
がんと診断されたときはがんの勢いがとても強く、逆に免疫力は非常に弱まっています。健康な時とは力関係がまるで逆になっています。このような状態になってから、がん治療が始まるわけです。
がん治療
免疫力が落ちて、がん細胞が力をつけて行く流れががん発症のメカニズムなら、治療はその逆をたどっていくことが有効です。免疫に対して強固なバリアを張った勢いのあるがん細胞と、弱まってしまった免疫力。このバランスをまずはかろうじて釣り合っていた時の状態まで戻していくことが大切です。
一つは抗がん剤や放射線、外科手術といったがんの標準的な治療で、勢いづいたがん細胞の力を、免疫がコントロールできていた時の状態まで削ぎ落として弱めること。がん細胞の力そのものを弱めることで、免疫システムが再び効果を発揮し始めます。特に抗がん剤でガンの防御壁が低くなったり、一部が壊れたりすることで、免疫細胞はこの壁を乗り越えやすくなり攻撃力が上がると考えられています。
一方、抗がん剤は全般的に増殖スピードが速い細胞を標的にしています。従ってがん細胞を破壊するのと同時に、他の正常な細胞分裂が活発なところ、骨髄、肝臓、腎臓、粘膜、毛根、爪、皮膚といった部分の生育にも大きなダメージを与えてしまいます。骨髄でつくられる免疫細胞もこの例にもれず機能を阻害されるため、免疫力が低下してしまいます。
がん治療で大切なことは、弱まっている免疫力がさらに低下するのを防ぎ、むしろ免疫力を強く押し上げて行くことです。
免疫力を高める方法

免疫力を高める方法の前に、なぜ免疫力が落ちてがん細胞を封じ込めなくなるのか、明らかになっている原因から確認しましょう。
 

  1. 老化・加齢
    免疫系の老化は20代から始まり、40代でピーク時の半分以下、70代にもなるとピーク時の10%程度に落ちると言われています。そのため、40代以降年齢が上がるにつれて、がん発症の確率が高くなってきます。
  2. ストレス
    強いストレスにさらされると、特にがん細胞を最初に攻撃する能力を持つNK細胞の活性が下がることが、データによって証明されています。逆に、リラックスして好きなことをしていたり、笑ったりすることでNK細胞の活性が上がることも、科学的に証明されています。
  3. たばこ
    喫煙は免疫機能を低下させるばかりか、がん細胞を誘発することが、様々な研究結果から明らかになっています。
  4. 不規則な食生活や偏食
    免疫細胞の大切な材料となるアミノ酸が含まれる良質のたんぱく質が不足すると、当然ながら免疫細胞も少なくなったり弱くなったりします。また各種ビタミンやミネラルが免疫細胞の働きを強化することもよく知られていますので、こうした要素が不足しがちな外食、偏食が続くと免疫力が下がります。また腸内環境も免疫力に影響します。便秘がちの人は悪玉菌の繁殖とあわせ、免疫力の低下も招きます。
  5. 化学物質の過剰摂取
    加工食品や嗜好品、医薬品の過度の摂取は活性酸素を生成するなどの影響で、免疫力を弱めます。
  6. 夜更かし
    免疫細胞の働きは朝起きてから徐々に高くなり、夜11時を過ぎると低くなると言われています。深夜まで起きていると活性度が落ちてきますので、深夜型の生活を続けると免疫力は下がり、病気をしやすくなります。
  7. 運動不足
    免疫力に限らず、全身の体力・機能の低下につながります。逆に適度な運動をすることでNK細胞が増えることが、データで証明されています。
  8. 身体の低温化
    体温は免疫力を大きく左右します。平均体温が1℃下がると免疫力は40%程度下がるといわれています。冷房や身体を冷やす飲み物などの過剰摂取などで常に身体が冷えている状態の人、低体温の人は要注意です。

免疫力を高めるにはすなわち、これらの原因要素を取り除いた生活を心がければ良いといえます。

  • 適度な運動をし、朝日とともに起きて、夜は早く就寝し、十分な睡眠を確保する
  • タバコなどの嗜好品や発がん物質として疑われている化学物質を、できるだけ取り入れないよう注意する
  • 栄養バランスのとれた食事や抗酸化効果の高い発酵食品、良質の乳酸菌をとる
  • 細かいことは気にせず、声を上げるほどよく笑い、リラックスして楽しく過ごす
  • 恒常的に身体を冷やす環境、食べ物、飲み物を避ける

加齢は避けられませんが、日々の生活習慣を改めることで、年齢に応じた、あるいはそれ以上の免疫力を維持できるよう心がけたいものです。さらには、免疫力を高める究極の方法として免疫療法を取り入れることも非常に有効です。特に、がん細胞の芽とあれば問答無用で攻撃する、初動部隊「NK(ナチュラルキラー)細胞」を増やしてその能力を高める(活性化する)ことは、がんになりにくい身体づくりにはとても重要になります。

がん再発予防のカギを握る免疫力
たとえば外科手術により患部を摘出したり、放射線や抗がん剤でがん細胞が縮小してCTなどで影が確認できないまでになった、といって安心できないのが、がんの厄介なところです。
手術中に血液内に流れ込んだりするがん細胞が残っていたり、消えたと思ったがん細胞が何かのきっかけでまた成長してしまう可能性があります。再発予防のためには、こうした怪しいがん細胞に対して攻撃をする力を、自身の中に備えることが重要です。常に免疫細胞が優勢に活動できるような力を保持していくよう、免疫力を高める生活習慣が望まれるとともに、定期的に免疫力を確認して補強していくことも、再発予防には有効です。

がん免疫療法

第4のがん治療として注目される免疫療法
がんと診断されると、一般的に3大治療と呼ばれる「外科治療(手術)」「放射線治療」「抗がん剤治療」で治療計画が立てられることが標準的な治療法となります。早期に発見されたがんを治療するには、外科手術や放射線治療の局所的な治療法がとられますが、進行したがんや転移が見られる場合などは局所的な処理では対処ができませんので、全身を対象とした抗がん剤などの治療を組み合わせながら経過を見て行きます。
抗がん剤は、基本的に増殖の早い細胞を標的としてその生育を阻害する薬で、点滴や飲み薬で全身に行き渡るため、増殖スピードの速い他の正常な細胞にもダメージを与えることから重い副作用というリスクがついてきます。これが患者さんやご家族の精神的肉体的に重い負担となります。

ところが、こうした外的な処置でがんを100%制圧できれば問題ないのですが、残念なことにがんは残り、また新たに生まれて成長していく可能性が高いのです。
そこで、人が生まれながらにして持っているがん制圧の免疫システムを活性化する治療法が、今最も注目されている『がん免疫療法』です。
古くから免疫とがんとの関係については研究が進められていましたが、2000年以降、がんと免疫の関係が科学的に証明され、さらに2004年に米国でがんの免疫編集説が発表されたことにより、一気にがん治療への期待が高まりました。

自分自身の免疫力を高めていく過程においては、患者さんやご家族の大きな悩みの一つでもあった副作用の心配がありません。抗がん剤や放射線など外的な治療でがん細胞を弱めると同時に、先端技術で内的な力を活性化させていく免疫療法とのコンビネーション。がんの種類を問わず、QОLを維持しながら、従来の三大治療を補完する数々の成果が近年続々と発表され、がんに拘る関係者の大きな希望となっています。

免疫は、いつでもどこでもがん細胞の芽をパトロールして見つけ次第消していきますから、局部にとどまらず全身のがん発症を監視、抑制する働きをしてくれます。従って、がん患者の治療にももちろん効果を発揮しますが、再発防止や遺伝的な心配を抱える方々の予防的な観点からも、非常に効果が高い治療法として注目されているのです。
がん免疫療法の種類
がん免疫療法の種類
がんに対する免疫反応の過程を治療にうまく応用させたのが、がん免疫療法です。これには、大きくわけて、がんワクチン療法、樹状細胞療法、活性化リンパ球療法があり、さらにリンパ球療法には、Tリンパ(T細胞)療法、NK(ナチュラルキラー)細胞療法、NKT細胞療法、γδT細胞療法があります。
『がんワクチン療法』
がんワクチン療法は、がん抗原をがん細胞から直接とったり、または人工的に合成したものをワクチンとして投与するものです。この療法では、がん抗原が体内に取り込まれたあとリンパ節へ到達して樹状細胞に情報を与え、さらにT細胞がその情報を受け取って増殖・活性化し、さらにリンパ節をでてがん病巣へ向かう、という長い過程が秩序だって起こることが前提となります。 免疫力が高い健常な人には効果がでるかもしれませんが、がん患者さんは一般に免疫力が落ちているために、がん抗原が樹状細胞に取り込めるか、T細胞を活性化できるのか、その効果にはやや不安定な要素があるのが現実です。
『樹状細胞療法』
樹状細胞療法は、がんワクチン療法に近い方法ですがステップを一段階省く方法です。血液から取り出した単球を樹状細胞にして、これにがん抗原を与えてがん情報を教え込み、体内に戻すものです。投与した樹状細胞はリンパ節へいき、T細胞にがん情報を渡し活性化させます。樹状細胞が直接がん細胞を殺すわけではありませんので、がん情報を確実に攻撃できるT細胞に提示しかつ増殖させることが必須です。また皮内に投与した樹状細胞のうち、どのくらいの細胞がリンパ節まで到達できるのかも検証されなければなりません。がんワクチン療法同様、免疫力が低い患者さんの免疫システムの機能に依存しますので、やはり効果は不安定になります。最近ではリンパ節を通さず、樹状細胞を直接がん病巣の中へ注射する方法がとられるようになってきています。
『活性化リンパ球療法』
活性化リンパ球療法は、血液からリンパ球を分離し体外で大量に増やしてから、ふたたび体に戻してがんを治療しようとするものです。がんワクチンや樹状細胞療法と違い、体内でおこるがん抗原の受け渡しという過程を必要とせず、直接がん細胞を攻撃する細胞を増やし、活性化させます。活性化リンパ球療法には、Tリンパ(T細胞)療法、NK細胞療法、NKT細胞療法、γδ(ガンマデルタ)T細胞療法があります。それぞれの細胞の活性化により狙うターゲットや方法が変わりますが、血管に戻した活性化リンパ球ががん病巣へ集まるかどうか、がん細胞を殺傷する攻撃力と特異性(特定の異常細胞のみを攻撃する性質)をもつのかどうかが問題点としてあげられています。
副作用がほとんどない身体に優しいがん治療
自分自身の免疫細胞を体外に取り出して増殖活性化させてから体内に戻すことで、自身の免疫力を高めていく免疫細胞療法は、患者さんやご家族の大きな悩みの一つでもあった強い副作用の心配がないことが大きな特徴です。
当クリニックでは1回に100〜200億個の活性化リンパ球を投与しますが、これほど投与しても発熱以外に大きな副作用がでないことを確認しています。投与した当日に、5人に一人の割合で38℃前後の発熱が見られますが、すぐに解熱し翌日まで続くことはありません。免疫力が上がることで、逆に身体のコンディションが良くなったり肌つやが良くなったりする患者さんもいらっしゃいます。
抗がん剤治療と免疫療法
免疫細胞療法には副作用がほとんどないことは大きな利点の1つですが、進行がんの治療として単独で使用するにはまだ不十分であると言わざるをえません。単独使用で、腫瘍マーカーの低下や進行を遅らせることは可能ですが、それ以上の腫瘍を縮小・消失させるなどの効果を期待するには治療法の工夫・改善が必要です。その理由は、簡単にいえば、がんはすでにからだのがんを排除する免疫反応を抑えながら出てきたものですから、体外で増やした活性化リンパ球を入れても、がん細胞はすでにそれに対する抵抗力を持っているため、その効果には限界があると考えられるからです。
そこで、抗がん剤や放射線を併用することでがん細胞を弱らせ、免疫に対する抵抗力を落とした上で免疫療法を行うと、顕著な効果が現われます。
東京中央メディカルクリニックでは、抗がん剤を使わずに治療するときは、おもに免疫力を上げて再発予防やQOLの改善を目的とします。進行がんの治療の場合は、抗がん剤や放射線の併用を推奨しています。

高活性NK細胞療法とは

東京中央メディカルクリニックでは、がん免疫療法の中の「活性化リンパ球療法」の一つであるNK(ナチュラルキラー)細胞療法を、従来とは異なった方法で最大限に活性化させた「高活性NK細胞療法」を実施しています。 これは患者さんご自身の血液から採取したリンパ球の中で、特にがんなどの異常細胞を最初に攻撃する役割を持つNK細胞を大量に培養、増殖、さらにがんに対する殺傷度を高くした(活性化させた)上で、患者さんの体内に戻して免疫力を高めていく療法です。
高活性NK細胞療法が目指す効果
1.直接がん細胞を攻撃する活性化されたNK細胞、T細胞を大量に全身に行き渡らせること
→がん治療・再発予防

2.患者さんの免疫力そのものを高めることで、身体全体のがんと闘う力を立て直すこと
→QOL(Quality of Life:生活の質)の向上

当クリニックでのがん免疫療法では、治療効果を優先させるだけではなく、治療後も患者さんの生活の質がなるべく下がらないような治療を行い、患者さんひとりひとりの人生の内容の質や社会的にみた生活の質の向上を目指します。
高活性NK細胞療法の特徴
1.1回で100〜200億個の活性化リンパ球を投与します
2.T細胞(特に細胞傷害性T細胞)はもちろん、増やしにくいといわれるNK細胞を大量に増殖、活性化させています
3.TRAIL、NKG2Dといった、がん細胞を殺傷する能力を持つ分子を大量に含みます
4.抗がん剤と併用すると効果が高まります
5.軽い発熱以外の副作用が見られません
6.治療を受けながら日常生活を営めます(この治療のために入院する必要は特にありません)
NK細胞の役割

「高活性NK細胞療法」では獲得免疫系のT細胞の培養を主眼とするのではなく、初動部隊として全身をくまなくパトロールしながら異常細胞をただちに攻撃する、自然免疫系のNK細胞の培養を主としています。現在確認されているNK細胞の抗がん効果は以下のようなことがあります。

1. 毎日発生するがん細胞を除去する


正常な人でも1日数千個のがん細胞が発生し除去されているといわれます。これはNK細胞が中心となって、異常な細胞(がん細胞)を見つけて駆逐していると考えられています。

2. がんの再発・転移を防ぐ


NK細胞はがんの発症を防ぐだけでなく、がんの再発や血管を通して遠くに飛ぶ転移を抑えると考えられています。

3. T細胞が攻撃できないがん細胞を攻撃する

生き残るがん細胞は、自分を攻撃するよう教育されたT細胞(CTL)からの攻撃を逃れるために、時間とともに自分自身を変えてCTLから自分が見えなくなるようにします(MHCクラスI分子の消失)。このようながん細胞に対しては、むしろNK細胞が効果的に攻撃すると考えられています。逆に、NK細胞はMHCクラスI分子のあるがん細胞は攻撃しにくいことも知られています。しかしこの弱点も、NK細胞のがん殺傷分子を増強することで克服されてきています。

4. 抗体のついたがん細胞を特異的に攻撃できる

がん細胞だけに反応し増殖を抑える抗体療法(例えばリツキサンやハーセプチン)という治療法があります。抗体療法が効く理由の1つとして、NK細胞の関与が考えられています。これは、Y字型をした抗体の尾部にあたる部分(Fc部分という)にNK細胞が結合して活性化することで、がん細胞を殺すことが実験的に確かめられているからです。これをADCC活性といい、T細胞では見られない効率的な殺傷法です(図1)。近い将来は、抗体療法とNK細胞療法を組み合わせる治療法が行われることになるでしょう。

図1 ADCC活性

5. がんに対する免疫反応を強める


NK細胞はがん細胞を攻撃するほかに、最近がん免疫に対して重要な働きをすることがわかり注目されています。NK細胞によって刺激された樹状細胞はがんを攻撃するCTLをたくさん作り出す効果があり、しかもこの効果は通常の樹状細胞よりも100倍も高いことが報告されています。大量の高活性NK細胞を抗がん剤とうまく組み合わせると、がん抗原に対するCTLを誘導できる可能性が高くなります。
他の活性化リンパ球療法との違い
東京中央メディカルクリニックが開発した「高活性NK細胞療法」と他の活性化リンパ球療法とは、以下のような違いがあります。

『T細胞(Tリンパ球)療法』

元々末梢血リンパ球の内、7割を占めるT細胞をCD3抗体とIL-2で刺激・増殖させた、先駆的なリンパ療法です。T細胞は獲得免疫系で、戦う相手を教育されないと働けず、しかも一つの細胞が戦えるがんの相手は1抗原、といった特性があります。 CD3抗体で全体的にT細胞を増殖させることはできますが、特定のがんを攻撃するT細胞の増殖はごくわずかにしかなりません。活性化されたT細胞は非特異的であっても、がん細胞を攻撃する全体的な能力は高まりますので、がん免疫反応を促進する可能性はあります。
最近では研究も進み、がん抗原に対する特異性を高めるため、T細胞を直接がん病巣部から集めたり、がん抗原を認識する分子を遺伝子工学的に入れたT細胞をつくり、大量に増やして使用する方法も試みられています。

『NKT細胞療法』

NKT細胞は、末梢血リンパ球の0.1%以下とごくわずかしかないリンパ球です。CD1という単一の抗原提示分子と結合した糖脂質に反応する細胞で増やすことが難しいリンパ球ですが、抗腫瘍活性のほか、NK細胞や細胞傷害性T細胞を増やす働きが報告されています。 研究は進められていますが、元々の数が少ないこともあり、培養による増殖や活性化の効果にはまだまだ課題があります。

『γδ(ガンマデルタ)T細胞療法』

おもに腸管粘膜や皮膚に多数存在しますが、末梢血ではリンパ球の数%しかありません。抗腫瘍効果があるものの、その働きはまだ不明なところも多いリンパ球です。骨粗鬆症で使う薬剤ビスフォスフォネートで増殖することがわかり、現在臨床応用に向けた研究が進んでいるところです。

『他院のNK細胞療法』

NK細胞は増やすことが難しいとされており、1回あたりのNK細胞の投与数がせいぜい10億個までのところが多いようです。後述しますが、100億個以下の投与数では狙った効果を上げることはなかなか難しいことが、データで明らかになっています。
東京中央メディカルクリニックの高活性NK細胞療法は、独自の培養方法を採用し、1回あたり、40〜100億個のNK細胞が入ります。同じNK細胞療法であっても、他院のNK細胞療法とは、培養方法も投与細胞数も活性の高さもまったく異なりますので、異なる治療方法であるとお考えください。

複合治療(免疫治療・温熱治療の組み合わせ)

免疫細胞を活性化 遠赤外線で身体を温める治療法です●「寒くて動けない」免疫細胞を活性化させ、がん細胞と闘う力を得られます
体温と免疫には密接な関係があります。
体内の毒素・栄養素を分解する酵素が活性化するには、36.5度以上の体温が最適であるとされています。
体温が下がると、その働きがどんどん失われていき、全身の内臓の働きが弱り、免疫力がどんどん落ちていきます。
特に、がん治療において抗がん剤を投与している方は、身体が末端から冷えきっているため、免疫細胞をいくら強化・培養して注射しても「寒くて動けない」状態になっています。

当院では麦岩石を使用した特殊な「メディカル岩盤浴」を行っています。
ドーム型マシンにより、寝返ることなく全身に遠赤外線効果が届き、身体の芯まで温めることができます。
複合治療(温熱治療)の流れ
がん治療の場合、医師の指導のもと決められた回数・時間を守って岩盤浴を行ってください。

※汗をかくことは体力を消耗することでもあるため、必ず医師の指導にしたがってください
※通院で温熱治療を行って頂きます

ガンの予防(免疫療法)

NK細胞の活性化でがん予防

目安として年に一回の投与


 実際にがんになった患者様にNKを投与することで、現在、著明な効果を認めています。がんを発生していない健常な人に対してNK細胞を投与することで得られる効果は、どのくらいの量のNK細胞をどれくらいの頻度で入れたらよいかを見る必要があります。
そこで、我々は65歳以上の人10人を対象に、最低年1回2~3週間NK細胞を培養し、最低30億個以上のNK細胞を投与するとどうなるかという実験をしました。その結果、現在まで4年を経過していますががんを発生した人はいません。65歳以上の一般国民におけるがんの発生率は2~3割と言われているため、明らかながん抑制効果が認められていると考え、そのデータを根拠に最低年に1回ないし2回程度NKを投与することでがんの発生を予防できるという可能性を示しました。この根拠に基づいて当クリニックでは、健常な方に対し、最低年に1回、または2回NKを培養し最低30億個程度投与することで、がんを予防しようという試みを行っております。詳しい料金のご案内やご相談のある方はご連絡下さい。
免疫治療の流れ

採血(50㎖・・・ヘパリン採血管4本、プレイン採血管1本)

免疫細胞を培養(2~3週間)後、点滴で投与
※自己の細胞を体内に戻すだけなので副作用の例は限りなく少ないです。

治療費用

免疫(NK治療)
免疫(NK治療) 全6回1回
がんの方

¥300,000(税別) ※外国人の場合は料金が異なります

健常の方・がん予防の方(1回)¥300,000(税別) ※外国人の場合は料金が異なります