ハイパーγδT細胞療法

ハイパーγδT細胞療法

現在研究開発中の技術です。

T細胞の多くは「αβT細胞」です。「γδT細胞」は、T細胞中の2~3%ですが、αβT細胞よりもがん細胞を効率よく攻撃できることがわかっています。獲得免疫細胞のT細胞は、がん細胞の特徴を樹状細胞等から教えてもらわないとがん細胞を攻撃ができないのですが、γδT細胞は自然免疫細胞のNK細胞と同様に自動的にがん細胞を見分けて攻撃する能力があります。
γδT細胞
γδT細胞
γδT細胞が「がん細胞」を攻撃
γδT細胞は、NK細胞が見逃してしまうがんの特徴を認識できるため、より効果的にがん細胞を攻撃できることもわかっています。また、がん細胞は、一つの目印をターゲットに攻撃されると、自らの身を守るためにその目印を隠すという小細工をします。そのため通常のαβT細胞では、がん細胞を見つけられなくなってしまうことがありますが、γδT細胞はαβT細胞よりもレセプター(受容体)の数が多いため、がん細胞が一つの抗原の目印を隠しても、ほかの抗原を目印に攻撃することができます。たとえば「IPP」や「CD166」など、通常のがん抗原とは異なるさまざまな目印を同時に認識して、がん細胞を見分けています。このようにγδT細胞は、NK細胞やαβT細胞よりも高い能力を持っていて培養技術で多数増殖できれば免疫療法として大きく役立つことが期待されています。

γδT細胞の特徴

γδT細胞の特徴は、非特異的にがん細胞を攻撃する点です。がん細胞があると即座に排除する自然免疫細胞のNK細胞がよく知られていますが、同様の働きを、γδT細胞もすることがわかってきました。さらに、NK細胞よりも優れているところがいくつかあります。γδT細胞は、がんを含む異常な細胞に多く発現しているIPPやMIC A/Bという分子をはじめ、HMB-PP、ICAM-1、CD166といった、がん抗原以外のさまざまな目印によって、がん細胞を認識できることが出来ます。そのため、がん抗原の消失によってCTLが攻撃できない場合でも、γδT細胞はこうした別の分子を目印にして、がん細胞に攻撃を加えることができます。γδT細胞は、こうした複数の目印を同時に認識して、その発現程度などを総合的に判定し、がん細胞であるかどうかを判断していることが知られています。αβT細胞のように戦う相手を教え込む必要もなく、NK細胞よりも、更に的確にがん細胞を見つけて攻撃することで高い殺傷力でがん細胞を破壊します。