予防接種

必要な予防接種

注射法概略

必要な予防接種

どのような予防接種を受けたらよいか

接種前にできる限り用意していただきたいもの

禁忌および副作用

予防接種証明書の配布

短期間に予防接種を終了する方法

地域別接種一覧

注射法概略

予防接種は、出発の1ヶ月以上前からしなければならない場合があります。
旅行や海外赴任が決まりましたら、当クリニックにご相談ください。
行き先別による、ワクチンの種類・接種の日程などのカリキュラムを作成いたします。

注射法概略接種回数間隔追加
A型肝炎22~4週5~18ヵ月後
破傷風23~8週5~18ヵ月後
狂犬病3初回後4週および6~12ヵ月後
日本脳炎21~4週1年後
B型肝炎3初回後4週および6ヶ月後
麻しん1  
風しん1  
おたふくかぜ1  
DT/DPT1  
インフルエンザ21~4週 

必要な予防接種

一般に長期滞在者(3~6ヶ月以上)が予防接種の適応。
A型肝炎、黄熱病の予防接種は短期滞在でも適応となります。

第一選択破傷風トキソイド海外に長期滞在する者
第二選択風疹生ワクチン海外に長期滞在する妊娠年齢の女性で未感染の者
A型肝炎不活化ワクチン途上国に滞在する者
麻疹流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)生ワクチン途上国に長期滞在する未感染の者
第三選択B型肝炎不活化ワクチンアジア・アフリカに長期滞在する者
狂犬病不活化ワクチンアジア・アフリカ・中南米に長期滞在する者
黄熱病(※)生ワクチン赤道アフリカ・南米に滞在する者
日本脳炎不活化ワクチン東・東南アジアの農村部に長期滞在する者

第一選択:先進国、途上国いずれに滞在する際も必要
第二選択:途上国に滞在する際に必要
第三選択:途上国でも流行地域に滞在する際に必要

上記の予防接種以外に、ポリオワクチンを流行地(アジア・アフリカ)に長期間滞在する際は、追加接種すべきとの意見もあります。またジフテリアが旧ソ連諸国で流行しており、当地に滞在する際はジフテリアトキソイドの追加接種(1回)をしておくとよいといわれています。この他に流行性髄膜炎や腸チフスの予防接種が第三選択含まれていますが、いずれも日本国内では市販されていません。

渡航外来 予防接種外来備えあれば憂いなし

どのような予防接種を受けたらよいか

現在入国に際して義務付けられている予防接種は、赤道付近の一部の国での黄熱病ワクチンだけです。それ以外は、ご自分で体を守るためにするものです。また、接種しても感染した場合はある程度の症状は出ますので、現地での感染予防を怠らないことが大切です。

黄熱病ワクチンの必要な方へ
  • 入国に際し「黄熱病ワクチン」接種が義務付けられている国へ行かれる方は、これを優先して下さい。
  • 熱帯付近の流行国への入国、および一部の熱帯付近の国を経てからの他国への入国に際しては、接種が義務付けられています。
    「黄熱病ワクチン」(一回接種)を接種していないと入国拒否されます。
  • 黄熱病ワクチンは、名古屋検疫所のみで接種可能です。

黄熱病ワクチンと他のワクチンとの接種間隔

  • 「黄熱病ワクチン」を接種した場合、4週間以上あけた後に、他のワクチン接種可
  • 「コレラワクチン」を接種した場合、3週間以上あけた後に、「黄熱病ワクチン」接種可
  • 「コレラワクチン」を除く不活化ワクチンを接種した場合、1週間以上あけた後に「黄熱病ワクチン接種可
  • 「生ワクチン」を接種した場合、4週間以上あけた後に、「黄熱病ワクチン」接種可
黄熱病ワクチンの必要のない方(ほとんどの方)

以上の順に考えます。

  1. 予防接種完了までの期間出発数日前までには、予防接種を完了するのが望ましい。(効き目がでるまでに1週間程度はかかる。発熱などのために出発に影響する可能性あり。)

    出発までの期間が短い場合・滞在日数がわずかの場合:現地での感染予防に心掛ける。
    ・滞在日数が長い場合:現地での予防接種を考える。

  2. 渡航地域「破傷風」は、日本を含め世界中どこでも、感染する可能性はゼロではありません。

接種前にできる限り用意していただきたいもの

母子手帳

乳幼児期の予防接種が記録、記載されている。一般に母親が保存している。

予防接種証明書

以上の順に考えます。

  1. 予防接種完了までの期間出発数日前までには、予防接種を完了するのが望ましい。(効き目がでるまでに1週間程度はかかる。発熱などのために出発に影響する可能性あり。)

    出発までの期間が短い場合・滞在日数がわずかの場合:現地での感染予防に心掛ける。
    ・滞在日数が長い場合:現地での予防接種を考える。

  2. 渡航地域「破傷風」は、日本を含め世界中どこでも、感染する可能性はゼロではありません。

禁忌および副作用

予防接種法では禁忌となる者を接種不適当者、禁忌ではないが 注意を要する者を接種要注意者と限定しています。接種前には問診により該当事項を確実にチェックする必要があります。
成人の予防接種で重篤な副作用は極めて少ないが、稀に接種液成分によるアナフィラキシー反応をおこすことがあります。しかし問診で過去の既往を聴取しておけば未然に防ぐことができます。注射局所の発赤や腫張、軽度の発熱などは、接種を受けた者の10%程度におこります。
数日で自然軽快するが、硬結は1ヶ月近く残る事もあります。

 不適当者要注意者
発熱37.5度以上37.0~37.4度
基礎疾患重篤な急性疾患重篤な慢性疾患(循環器・腎臓・肝臓疾患)
アレルギー・接種するワクチンでアレルギー反応の既往
・接種するワクチンの成分でアレルギー反応の既往 ※
予防接種でアレルギー反応の既往
妊娠生ワクチンは禁忌 ※※ 
その他免疫不全者に生ワクチンは禁忌ケイレンの既往
免疫不全の既往

※ワクチンの成分として卵、抗生剤、防腐剤などがある。抗生剤はストレプトマイシンやエリスロマイシンが主に使用されている。各ワクチンに添付文書を確認の事。

※※不活化ワクチンやトキソイドは胎児には影響しないが、できれば妊娠3ヶ月後の接種が望ましい。

予防接種証明書の配布

出国前に実施した予防接種の記録は英文に翻訳し赴任者に持参させます。
一定の書式はないが、接種したワクチン名や接種日を明記し、必ず医師のサインをします。

短期間に予防接種を終了する方法

各予防接種の接種回数を示します。
多くの予防接種は完了までに数回に接種を要しますが、通常は第2回の接種で一定期間の感染防御が可能となります。そこで2回目までを出国前に実施し、3回目は一時帰国時か現地で行うこととします。さらに短期間で接種を終了する方法として同時接種があります。
不活化ワクチンやトキソイドは4種類までは同時に接種できます。また、生ワクチンとの同時接種も可能です。生ワクチンどうしは1ヶ月間隔で接種することが望ましいです。同時接種により副作用が増強したり、効力が低下する可能性は少ないです。また、法律的にも平成7年の予防接種法の改正で医師の判断により同時接種が可能となりました。

 接種回数第2回接種日第3回接種日有効期間
風疹
麻しん
流行性耳下腺炎
1一生
黄熱110年間
A型肝炎314~28日後6~12ヶ月後10年間
B型肝炎328日後6ヶ月後一生※
狂犬病328日後6~12ヶ月後
日本脳炎37~28日後12ヶ月後4年間
破傷風328日後6~12ヶ月後10年間

※数年間との報告もある。

地域別接種一覧

北アフリカA型肝炎、狂犬病
中部アフリカA型肝炎、B型肝炎、コレラ、マラリア(標高2600m以上は例外)
南アフリカ 
北米A型肝炎、狂犬病
中米A型肝炎、狂犬病
カリブ海地域A型肝炎、狂犬病(マングースから感染する事が多い)
南米(熱帯)A型肝炎、B型肝炎(アマゾン川流域)、狂犬病
南米(温帯)A型肝炎
東アジアA型肝炎、日本脳炎、狂犬病、B型肝炎(中国)、コレラ(一部のみ※)
※感染の可能性は低い。
中国はほぼ安全になりつつある。
東南アジアA型肝炎、B型肝炎、日本脳炎、狂犬病、コレラ、マラリア
※シンガポールは日本と同程度の衛生状況
中央~南アジアA型肝炎、B型肝炎、狂犬病、コレラ(特にインド)、日本脳炎(インドの東2/3領域)、マラリア
西アジア 
北・西・中央ヨーロッパ 
東ヨーロッパ 
南ヨーロッパ 
オーストラリア日本と同程度の衛生状況
ニュージーランド日本と同程度の衛生状況
太平洋地域A型肝炎、マラリア